過去の類似案件を自動提案する業務システムとは?スクラッチ開発で実現するポイント
1.業務システムで「過去の類似案件」を提案する仕組みとは?見積・提案の精度とスピードを上げる方法

「過去に似た案件、たしかあったはずなんだけど…」
「前にやった事例を探すのに時間がかかる」
「ベテランに聞かないと提案がまとまらない」
こうした悩みは、営業・見積・提案・カスタマーサポートなど、案件対応がある会社ではとてもよく起きます。
そこで効果が大きいのが、業務システムの中で“過去の類似案件”を自動で提示する仕組みです。
ポイントは、単に「検索できる」ではなく、提案・見積の意思決定を前に進める形で“候補を出す”こと。
この記事では、類似案件提案システムの考え方、よくある構成、導入の進め方、そしてなぜスクラッチ開発が向いているのかを解説します。
2. なぜ「類似案件提案」が効くのか(得られる効果)
1)見積・提案のスピードが上がる
過去案件を探す時間が減り、提案作成の初速が上がります。
「一から考える」ではなく、「近い案件を土台にして整える」に変わるのが大きいです。
2)提案の精度が上がる(ミス・漏れが減る)
似た案件の
- 見積内訳
- 工数
- リスク
- 追加費用が出やすいポイント
などが参照できると、見積のブレや抜け漏れが減ります。
3)属人化を減らせる(ベテランの勘を仕組みに)
「過去案件を知っている人が強い」状態から、
組織として提案品質を一定に保つ方向へ進めます。
3. どんな場面で使われる?(ユースケース例)
類似案件提案は、業種を問わず応用が利きます。
- 製造業/工事業:図面・仕様・現場条件が近い案件を提示して、見積のたたき台を作る
- Web制作/システム開発:要望の文章から、近い要件・構成・見積テンプレを提示
- 保守・サポート:問い合わせ内容から、過去の対応履歴やFAQ候補を提示
- 人材/教育:案件要件から、過去の成功パターンやアサイン候補を提示
- 営業:顧客業界・規模・課題から、近い提案書や導入事例を提示
共通点は、「探す時間」と「判断の迷い」を減らすことです。
4. 「類似案件」を出す方法は2種類ある(まずここが重要)

類似検索には大きく2つのアプローチがあります。
A)文字情報抽出変換型
AIのLLM(大規模言語モデル)活用パターン
現在流行っているchatGPTやgeminiなどは、LLM活用の技術で圧倒的に有利です。
例えばPDFの見積書や図面から一度言語情報を抽出して必要な言語情報にまとめたうえでデータ化します。
B)類似画像検索型
こちらは画像の形などから似ているものを検索します。
比較的シンプルな2次元形状などで表しやすい材料を扱うことが多い場合は有意性が増します。
多くの現場では、Aだけでは足りず、A+Bのハイブリッドが最も使われます。
5. ここが肝:なぜスクラッチ開発が向いているのか
類似案件提案は、SaaSやパッケージで「できそう」に見える一方で、実際は会社ごとにハマり方が全然違います。
1)データが会社ごとに違いすぎる
- 案件の粒度
- 見積の作り方(項目・単価・工数)
- 提案書の型
- 呼び方(同じ意味でも言葉が違う)
- “似てる”の判断軸(価格?工期?業種?難易度?)
ここがバラバラなので、業務に合わせて調整できるスクラッチが強いです。
先ほどのA+Bのハイブリッドという内容でも
業種によって重みづけ評価の調整が必ず必要になります。
2)既存の業務システムと“つながる”必要がある
案件管理、顧客管理、見積、受注、原価…
既に何かしらの仕組みがある場合、そこに自然に組み込まないと現場が使いません。
スクラッチなら、
- 既存DB
- CSV/API連携
- 権限・承認フロー
まで含めて「業務の流れに馴染む形」で作れます。
3)小さく作って、改善しながら育てやすい
いきなり完璧を目指すより、
- まずは「案件本文」だけで類似案件を出す
- 次に「見積の内訳テンプレ」まで出す
- 最後に「提案文のたたき台」まで出す
という段階導入が現実的です。
この“育てる前提”にスクラッチは向いています。
6.導入の進め方(おすすめの最短ルート)

Step1:対象業務を決める(まずは1つ)
例:
- 見積作成
- 提案書作成
- 問い合わせ対応
Step2:過去データを棚卸しする
- 何が残っているか(案件管理、Excel、メール、PDF)
- どの形式で取れるか
- どの項目が使えるか
Step3:最小構成で“出る”状態を作る
- 条件絞り込み+文章検索のどちらから始めるか決める
- 「提案画面でトップ10を出す」までを短期で作る
Step4:現場のフィードバックで精度を上げる
- 「これは似てる」「これは違う」をボタンで記録
- 検索条件や重み付けを調整
- テンプレを増やす
7.まとめ:類似案件提案は「業務の判断」を前に進める仕組み

類似案件提案は単なる検索ではなく、
“提案を前に進める部品”を業務システムに組み込むことが価値になります。
そしてこの領域は、
- 会社ごとのデータ・判断軸が違う
- 既存システムとつながる必要がある
- 小さく作って育てるのが現実的
という理由で、スクラッチ開発と相性が非常に良いテーマです。
「過去案件はあるのに、活かしきれていない」
「見積や提案が属人化している」
そんな場合は、まずは“類似案件が出る”ところから一緒に作っていけます。
8.次の一歩
過去の案件データ(Excel・PDF・案件管理の情報など)を拝見し、
「どのデータから始めるのが最短か」
「どんな画面が現場で使われるか」を踏まえて、
小さく始める類似案件提案システムをご提案します。
まずは無料相談でお気軽にご相談ください
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この記事を書いた人
株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦
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