AI業務ソフト開発とは?できること・事例・費用・スクラッチ開発の進め方
1.はじめに

「AIを使って業務を効率化したい」と考えたとき、最初にぶつかるのが “結局、何をどう作れば業務が良くなるのか?” という問題です。
AIツールを試してみても、現場の業務フローに組み込めなければ、結局は使われなくなります。
このページでは、AIを業務フローに組み込んだ「AI業務ソフト開発」 について、できること(ユースケース)、導入の進め方、費用感、セキュリティの注意点まで、スクラッチ開発前提でわかりやすく整理します。
2. AI業務ソフト開発とは(AIを“業務フローに組み込む”)
AI業務ソフト開発とは、ChatGPTのようなAIを単体で使うのではなく、
日々の業務の流れの中にAI機能を組み込んだ業務ソフト(業務システム)を開発することです。
たとえば、次のように「入力 → 判断 → 出力」までを業務ソフトの中で完結させます。
- 問い合わせ内容を取り込む
→ AIが内容を分類し、担当部署を提案する
→ チケット発行・返信テンプレ作成まで行う - 見積依頼の文章や仕様書を取り込む
→ AIが過去の類似案件を提示する
→ 見積のたたき台・注意点・提案文案を出す
つまりAI業務ソフト開発のゴールは、
「AIを導入した」ではなく「業務が速くなった/ミスが減った/属人化が減った」状態を作ることです。
3. できること(代表ユースケース10選)

AI業務ソフト開発で効果が出やすいのは、「人が毎回やっている判断・整理・検索」をAIで支援できる業務です。代表例を10個紹介します。
1)社内ナレッジ検索(社内資料・過去案件を探す)
社内のPDF、議事録、仕様書、案件メモなどから、必要な情報を“意味で”探せるようにします。
「検索キーワードが思いつかない問題」を解決しやすい領域です。
2)過去の類似案件の提案(見積・提案のスピードUP)
入力された要望文から、過去の似た案件を提示し、見積内訳や注意点を出します。
営業・見積の属人化を減らす効果が大きいです。
3)問い合わせ・メールの自動分類(担当振り分け)
問い合わせ内容を「請求」「不具合」「仕様相談」などに自動分類し、担当・優先度を提案します。
対応漏れ防止にも効きます。
4)議事録・通話メモの要約とToDo化
会議メモを要点整理し、「決定事項」「未決事項」「担当ToDo」を自動抽出します。
管理部門や営業の事務作業を減らせます。
5)帳票OCR+自動入力(請求書・注文書など)
紙やPDFの情報を読み取り、社内システムへ自動転記する仕組みです。
経理・購買・受発注で定番の改善ポイントです。
6)データの自動整形・名寄せ(表記ゆれの統一)
顧客名や品名などの表記ゆれを統一し、データ品質を上げます。
後工程(分析・検索・集計)が楽になります。
7)不備チェック(申請・入力の抜け漏れ検知)
申請書や入力フォームの内容をAIがチェックし、「不足」「矛盾」「確認ポイント」を提示します。
差し戻し削減につながります。
8)文章作成支援(提案文・報告文・社内文書)
提案書の文案、報告メール、FAQの草案などを業務システム内で生成します。
ただし“そのまま送信”ではなく、下書きとして使う設計が現実的です。
9)業務ルールのガイド(現場の判断を支援)
「このケースはどう処理する?」という問いに、社内ルールや過去例から回答候補を提示します。
新人育成や標準化にも使えます。
10)予測・異常検知(在庫・需要・故障兆候など)
数値データがある場合、需要予測や異常検知を業務ソフトに組み込みます。
業種によって当たり外れがあるため、PoCで効果検証して進めるのが安全です。
4. 生成AIと従来AIの違い(使い分け)
AIには大きく
「生成AI(文章や要約、提案文案などを作る)」と
「従来AI(分類・予測・異常検知など)」があり、得意分野が違います。
生成AIが得意なこと
- 文章を理解して要点をまとめる(要約)
- 文章を整理して候補を出す(提案、テンプレ生成)
- 質問に対して説明文を作る(ガイド、FAQ草案)
業務ソフトでよく使う場面は、検索・要約・提案・下書き生成です。
従来AIが得意なこと
- 数値や分類の精度を安定させる(予測・判定)
- ルールや統計モデルでブレを抑える
- 入力が決まっている業務で強い(定型処理)
実務では、
「生成AIで候補を作る」→「従来ロジックでチェックして確定する」
の組み合わせが安定します。
5.失敗しない進め方(PoC→本番、評価指標、運用)

AI業務ソフト開発は、最初から大きく作るよりも
小さく作って検証し、使われる形に育てる のが成功パターンです。
1)対象業務を1つに絞る(まずは“1業務1機能”)
「見積」「問い合わせ」「OCR入力」など、効果が出やすい業務から始めます。
広げすぎると評価できず、現場定着もしづらくなります。
2)評価指標を先に決める(数字で判断)
例:
- 検索にかかる時間が何分減るか
- 見積の作成時間が何%短縮するか
- 問い合わせの一次分類の正解率
- 差し戻し件数の減少
「便利そう」ではなく、業務指標で価値を測るのが重要です。
3)PoC(試作)で“使われる画面”を作る
AIの精度だけを見ても成功しません。
現場で使われるためには、業務ソフト側のUIや導線が決定的です。
- どの画面の、どのタイミングでAI提案を出すか
- クリック1回でコピー・反映できるか
- “採用/不採用”を記録できるか(改善に効く)
4)本番運用で改善サイクルを回す
AIは「作って終わり」ではなく、運用で精度が上がります。
利用ログとフィードバック(役に立った/立たない)を取り、
改善できる設計が強いです。
6.費用感と期間(小さく始める型)

AI業務ソフト開発の費用は、「AI部分」だけで決まるわけではなく、
むしろ 業務ソフト(画面・権限・連携・運用)をどこまで作るか で変わります。
現実的な進め方としては、次のように段階化すると失敗しにくいです。
ステップ型の例
- Step1:小さなPoC(まずは“出る”状態)
類似案件を出す/要約を出す/分類する、など
→ 効果検証と業務導線の確認 - Step2:業務ソフトに組み込み(使われる状態)
ログイン、権限、画面、登録、履歴、運用を整える
→ 現場定着と改善サイクルが回る - Step3:連携と自動化(全体最適へ)
既存システム連携、データ更新、ワークフロー連携など
→ 二重入力削減、業務全体の効率化
「まずは1業務1機能から」始めると、投資リスクを抑えながら段階的に拡張できます。
7.セキュリティ・ガバナンス(社内データ、権限、ログ)
業務ソフトにAIを組み込む場合、セキュリティと運用ルールが重要です。
特に社内データを扱う場合は、最初に方針を決めると安心です。
よくある設計ポイント
- 権限管理:誰がどのデータにアクセスできるか(部門・役職)
- ログ:誰が何を入力し、AIが何を返し、何を採用したか
- データの扱い:社内資料をどう保管し、どう参照させるか
- 出力の扱い:AIの出力をそのまま確定せず、確認ステップを入れる
- 監査性:いつでも根拠や履歴を追える状態にする
業務ソフトは「便利」だけでなく、統制と説明責任が求められます。
だからこそ、運用まで含めて設計できるスクラッチ開発が向いています。
8.スクラッチ開発が向くケース(既存システム連携、業務固有の判断軸)
AI業務ソフト開発は、テンプレ的なパッケージでうまくいくこともあります。
一方で、次のような条件がある場合は、スクラッチ開発の相性がとても良いです。
1)既存システム連携が必要
案件管理、販売管理、在庫、会計、Excel運用など、すでに業務の仕組みがある場合、
AIだけ入れても現場は動きません。
既存システム連携(CSV/API/DB)と業務導線まで含めて作る必要があります。
2)「似てる」「良い提案」の判断軸が会社ごとに違う
類似案件提案や提案支援は、会社独自の判断軸が出ます。
- 価格帯が近いのが“似てる”
- 工期が近いのが“似てる”
- 業界が同じなら“似てる”
- 例外対応の難しさが近いのが“似てる”
この軸は業務によって違うため、業務に合わせたチューニングが必要です。
3)現場で使われるUI/運用に合わせたい
AIがどれだけ賢くても、現場が使わなければ意味がありません。
業務画面に自然に組み込み、クリック数や導線を含めて最適化するには、
スクラッチ開発が有利です。
9.よくある質問(データが散らばってる/精度/社内展開)
Q. データが散らばっている(Excel・PDF・メール)状態でもできますか?
できます。むしろ多くの企業がその状態です。
最初から完璧に整備するのではなく、使えるデータから始めて、運用しながら整備していくのが現実的です。
Q. AIの精度が不安です。業務で使えるレベルになりますか?
最初から100点を狙うより、“人の判断を助ける”形で始めるのが成功しやすいです。
例えば「候補を出す」「注意点を提示する」「下書きを作る」など、確認ステップを前提に設計します。
Q. 社内展開(定着)が難しそうです。
定着のポイントは、AIの精度よりも 業務導線 と 改善サイクル です。
「どの画面で」「何を押せば」「どう業務が早くなるか」を明確にし、使われたログから改善できる設計にします。
Q. まず何から相談すればいいですか?
「どの業務が一番つらいか」「どの作業に時間がかかっているか」からでOKです。
1業務1機能に落とし込み、PoCから進めるのが安全です。
10.次の一歩
AI業務ソフト開発は、いきなり大きく作るよりも、効果が出やすい業務を1つ選び、最小構成で試すのが近道です。
- 過去の類似案件を提案して、見積を速くしたい
- 社内資料検索をAIで楽にしたい
- 問い合わせ分類やOCR入力を自動化したい
- 既存システム連携込みで、業務フローに組み込みたい
こうしたテーマがあれば、現状のデータ(Excel/PDF/案件情報など)を踏まえて、
最短で効果が出る形をご提案します。
まずは「1業務1機能」から、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦
中小企業の業務効率化を
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