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更新日時:2025.02.21
カテゴリー:blog

AS400ユーザーの未来:IBMのシステムをアップグレードして使い続けるのがベストなのか?

AS400ユーザーの未来

1.はじめに

IBMのAS400(現在のIBM i)は、多くの企業にとって長年にわたる基幹システムの柱です。しかし、ハードウェアの老朽化、人材不足、DX(デジタルトランスフォーメーション)対応の必要性などの課題を抱える中、

IBM i をアップグレードして使い続けるのが最適な選択なのか、それとも別の道を選ぶべきなのか?」

 この記事では、IBMのシステムを継続利用するメリット・デメリットを整理し、今後の戦略について考察します。

2. AS400(IBM i)をアップグレードして使い続ける選択肢

・ 最新のIBM i にアップグレードする

IBMは現在も**IBM Power Systems(Power10など)**を提供しており、IBM i(AS400)の最新バージョンも定期的にリリースされています。

現在のシステムを維持しつつ、ハードウェアとOSをアップグレードすることで、セキュリティやパフォーマンスの向上が可能です。

アップグレードの主な方法

  1. IBM i の最新バージョン(例:IBM i 7.5)への移行
  2. ハードウェアを Power9 / Power10 に更新
  3. クラウドベースの IBM i(IBM Cloud for i)を活用する

・ IBM i 継続利用のメリット

既存システムの資産を活かせる
長年にわたりカスタマイズしてきたRPGやCOBOLの業務アプリをそのまま使用可能。業務フローを大きく変更せずに済む。

高い安定性と信頼性
IBM i は 99.99% の稼働率 を誇る安定したシステムで、ダウンタイムが少なく、基幹システムとしての信頼性が高い。

最新のIBM iはオープン技術と連携可能
最新バージョンでは Python、Node.js、REST API などのモダンな開発環境を活用可能。クラウドアプリやWebシステムとの統合も容易に。

クラウド対応も可能
オンプレミスだけでなく、IBM CloudやAWSのIBM iホスティングを利用すれば、クラウドの柔軟性も享受できる。

 【IBM i を使い続けるデメリット

IBM i を使い続けるデメリット

ハードウェア・ライセンスコストが高い
IBM Power Systems の最新ハードウェア(Power10など)に移行する場合、初期費用で500万〜数千万円のコストがかかる可能性あり。

IBMエンジニアの人材不足
AS400を扱えるエンジニアの高齢化が進み、新たなエンジニアの確保が難しくなっている。運用・保守の属人化リスクが高まる。⇒保守費用の人件費に影響。

クラウドネイティブ技術との完全統合は難しい
IBM i は最新技術(コンテナ、マイクロサービス、サーバーレス)との親和性が低く、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるには限界がある

3.IBM i を使い続ける vs. 別のシステムに移行する

IBM i をアップグレードして使い続けるのが最適かどうかは、企業の状況によります。以下の3つの視点で比較してみましょう。

比較項目IBM i をアップグレード他システムに移行(脱IBM)
初期コスト高額(ハードウェア+ライセンス)高額(ERP導入+データ移行)
運用コスト既存の知見を活かせるが人材不足による割高リスクありクラウド化で低コスト化可能
安定性非常に高いシステムによる
モダン技術対応限定的(APIは活用可)クラウドネイティブ技術をフル活用可能
人材確保難しい(AS400エンジニア不足)クラウド・Web技術なら確保しやすい

4.どの選択肢がベストなのか?

postAS400どの選択肢がベストなのか?

①②③の3つのパターンに分類

① IBM i をアップグレードして使い続けるのが適している企業

・ 既存の業務システムがIBM i 上で安定して稼働している
・ AS400のRPG・COBOLアプリをそのまま維持したい
・ 初期投資は可能だが、大幅なシステム変更は避けたい
・ IBM i エンジニアの確保が可能(社内にノウハウがある)

② クラウドERP(SAP, Oracle, Microsoft Dynamics)に移行すべき企業

DXを進めたいが、IBM i では制約が多い
・ ERPシステム(会計、在庫、販売管理)を標準化したい
・ 将来的にAS400の保守や運用負担を軽減したい
・ 最新のクラウド技術(AI、ビッグデータ、API)を活用したい

③ ハイブリッド戦略(IBM i を段階的にクラウド化)

・ IBM i の資産を活かしつつ、徐々にクラウドシフトしたい
・ クラウドストレージやクラウドバックアップから始めたい
・ IBM i とクラウドアプリをAPIで連携させたい

5.まとめ:IBM i をアップグレードして使い続けるのはベストな選択か?

IBM i をアップグレードして使い続ける

結論として、IBM i をアップグレードして使い続けるのは
「短〜中期的にはベストな選択肢」だが、長期的には慎重な検討が必要です。

💡 IBM i 継続は有力な選択肢だが、クラウドとのハイブリッド戦略も視野に入れるべき。
💡 完全な脱IBM(ERP移行など)を考える場合は、段階的な移行を計画的に進めることが重要。

企業のビジネス戦略や予算、システム要件に応じて、最適なシステム戦略を選択していきましょう!

#AS400 #2025年の崖 #オーダーメイドシステム

水谷友彦

この記事を書いた人

株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦

中小企業の業務効率化を
デジタル戦略でサポート

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