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更新日時:2025.02.17
カテゴリー:blog

システムをクラウドに移行するメリット・デメリット:経費削減の観点から考察

システムをクラウドに移行する

1.はじめに

近年、多くの企業がオンプレミス(社内サーバー)からクラウドへとシステムを移行しています。クラウド化は単なるトレンドではなく、ビジネスの競争力を高め、コスト削減にも貢献する可能性がある重要な戦略の一つです。

しかし、すべての企業にとって一概にメリットばかりとは限りません。

本記事では、企業がシステムをクラウドに移行する際の メリットデメリット を、特に 経費削減 の視点を中心に考察します。

2. クラウド移行のメリット

クラウド移行のメリット

(1) 初期投資の大幅削減

オンプレミス環境では、高額なサーバー機器、ネットワーク機器、ストレージなどのハードウェアを購入し、設置する必要があります。さらに、サーバールームの電気代や冷却設備などの運用コストも発生します。

クラウドでは、これらの初期投資が不要であり、 月額料金や従量課金 によって必要な分だけ支払うことができます。

そのため、特に 中小企業新規事業 にとって、クラウド移行は大きなメリットとなります。

(2) 運用・保守コストの削減

オンプレミスでは、システム管理者がハードウェアのメンテナンスやソフトウェアのアップデートを行う必要があります。一方、クラウドでは クラウドベンダーが管理を担当 するため、自社での運用負担が大幅に軽減されます。

例えば:

  • サーバー障害時の復旧対応
  • セキュリティパッチの適用
  • OSやミドルウェアのアップデート

これらの作業をクラウドベンダーに任せることで、 IT担当者の業務負担 を減らし、人件費の削減にもつながります。

(3) スケーラビリティと柔軟性

オンプレミスでは、リソース不足が発生した場合、サーバーの増設やストレージの拡張が必要になります。

一方で、クラウドでは 需要に応じてスケールアップ・スケールダウンが可能 です。

例えば、ECサイトが繁忙期だけリソースを増強するといった対応が容易にできます。

これにより、無駄なサーバーリソースを抱えることなく、必要な時に必要な分だけコストを支払うことができます。

(4) 災害対策・BCP(事業継続計画)

クラウドベンダーは データの冗長化 を行い、複数のデータセンターにバックアップを保持しているため、地震や火災といった災害が発生してもシステムの継続が可能です。

オンプレミスの場合、災害時データをすべて喪失するリスクや復旧できたとしても多大なコストと時間がかかりますが、クラウドを活用することでBCP対策のコストを抑えることができます。

3.クラウド移行のデメリット

クラウド移行のデメリット

(1) 長期的なコスト増加の可能性

クラウドは初期費用を抑えられる反面、 月額料金や従量課金 によって 長期的にはコストが膨らむ可能性 があります。特に、データ転送料やストレージの使用量が増加すると、想定以上の費用が発生するケースもあります。

対策:

  • リソースの適切な監視と管理
  • コスト最適化のためのプラン選定
  • クラウドベンダーの価格変動を定期的にチェック

(2) ベンダーロックインのリスク

クラウドサービスは、各ベンダーが独自の技術やサービスを提供しているため、一度特定のクラウドに依存すると、 他のベンダーへ移行するのが困難 になる場合があります。

例えば、Amazon Web Services(AWS)で開発したシステムをMicrosoft Azureに移行する場合、互換性の問題が発生し、追加の移行コストがかかることがあります。

対策:

  • 複数のクラウドを活用する「マルチクラウド戦略」
  • オープンソース技術の活用

(上記2つはシステム構築時要件に入れると別費用がかかる可能性有)

  • 移行コストを事前にシミュレーションする

(3) セキュリティとコンプライアンス

クラウドは便利ですが、 データの管理責任が完全にベンダーに移るわけではありません。企業は、適切なアクセス管理や暗号化を行わないと、 情報漏えいやサイバー攻撃 のリスクにさらされる可能性があります。

対策:

  • アクセス権限の厳格な管理
  • データの暗号化
  • クラウドのセキュリティ対策を定期的に監査

(4) ネットワーク依存

クラウドサービスは インターネット接続が必須 であり、ネットワーク障害が発生するとシステムが停止する可能性があります。

特に、リアルタイム処理が求められる業務では、 通信の遅延 が問題になることもあります。

対策:

  • 安定したネットワーク環境の確保
  • クラウドとオンプレミスを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の活用

4.まとめ:クラウド移行はコスト削減につながるのか?

クラウド移行はコスト削減につながるのか?

クラウド移行には多くのメリットがあり、特に 初期投資の削減運用・保守コストの最適化 によって 経費削減 の効果が期待できます。

しかし、長期的にはコストが増加する可能性や、ベンダーロックインのリスクも考慮する必要があります。

企業がクラウド移行を成功させるポイント

導入前にコスト試算を行う(長期的な視点で比較)
クラウドとオンプレミスの適切なバランスを考える
セキュリティとコンプライアンスを強化する
ベンダーロックインを避けるための戦略を立てる

クラウド移行は、単なるコスト削減の手段ではなく、 業務効率の向上柔軟なシステム運用を実現するための重要なステップです。

自社のビジネスモデルに合った最適な形でクラウドを活用し、競争力を高めることが成功の鍵となるでしょう。

#クラウド移行 #システム開発 #オーダーメイドシステム

水谷友彦

この記事を書いた人

株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦

中小企業の業務効率化を
デジタル戦略でサポート

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