DDoS攻撃とは?その仕組みと対策方法
1.はじめに
DDoS(Distributed Denial of Service、分散型サービス拒否)攻撃は、インターネット上のサービスやネットワークを一時的または恒久的に利用不能にするために、複数のシステムを使って対象のサーバーやネットワークに過剰な負荷をかける攻撃です。
この攻撃は、ビジネスやウェブサービスの信頼性を損なうだけでなく、運用停止による収益損失や顧客への悪影響を引き起こす可能性があります。
2024年末~2025年始に多く発生してシステム障害もDDoS攻撃のものも多くあります。以下Yahooニュースの記事(クリックするとYahooニュースに飛びます)
この記事では、DDoS攻撃の仕組み、種類、被害の影響、そして効果的な対策方法について詳しく解説します。
2. DDoS攻撃の仕組み
DDoS攻撃の基本的な仕組みは、
通常のトラフィックを大幅に超える量のリクエストを対象に送ることで、サービスを過負荷状態にして正常なリクエストに応答できなくすることです。これには、以下のような手法が使用されます。
- ボットネットの利用
攻撃者は、ウイルスやマルウェアによって多数のデバイス(一般ユーザーのPCなど)を感染させ、それらを操る「ボットネット」を形成します。このボットネットを使って、攻撃対象向けに一斉にリクエスト(アクセス)を送信します。 - ターゲットのサーバーやネットワークの脆弱性を利用
脆弱性を悪用し、リソースの枯渇(処理能力の上限を超えさせる)を狙った攻撃を行います。
3.DDoS攻撃の種類
- ボリューム型攻撃(通信している回線自体を混雑させる)
大量のデータを送信し、ネットワークの帯域幅を消費する攻撃です。- 例: UDP Flood、ICMP Flood
- プロトコル型攻撃(サーバーに大量のリクエストを送りサーバーの処理能力を超えさせる)
サーバーやネットワーク機器のリソースを消費させることを目的とします。- 例: SYN Flood、Ping of Death
- アプリケーション層攻撃(サーバー内に構築されたWebサーバーの処理能力を超えさせる)
Webサーバーやアプリケーションのリソースを狙います。- 例: HTTP Flood
4.DDoS攻撃の被害
- サービス停止や遅延
- 収益や信頼性の低下
- 復旧コストの増加
- ブランドイメージの損失
5.DDoS攻撃への対策方法
- ネットワーク構成の最適化
負荷分散(ロードバランサーの使用:処理するサーバーを複数拠点持たせる)を導入することで、トラフィックを分散させます。
CDN(Content Delivery Network:最適な経路をユーザー毎に割り当てて配信するネットワーク)を活用し、攻撃の影響を軽減します。 - 専用のDDoS対策サービスを利用
Akamai、Cloudflare、AWS Shieldなどのサービスは、DDoS攻撃のトラフィックをフィルタリング(監視し異常があればアクセスを拒否)し、影響を最小限に抑えます。 - ファイアウォールや侵入検知システムの導入
サーバーへの不正アクセスを監視・ブロックするための基本的な対策です。 - トラフィックの監視と異常検知
ネットワークトラフィックをリアルタイムで監視し、異常な動きを検知したら即座に対応します。 - ISP(インターネットサービスプロバイダー)との連携
ISPが提供するDDoS防御サービスを利用することで、攻撃トラフィックを早期にブロックできます。 - バックアップと復旧計画の整備
サービス停止時の影響を最小限にするため、システムのバックアップと復旧手順を事前に用意しておきます。 - IPアドレスの絞込
海外からのアクセスを遮断、特定IPアドレスのみを許可
サービスの使われ方に依存しますが、社内専用のシステムであればIPアドレスによるフィルタリングが有効です。
6.まとめ
DDoS攻撃は、どの規模の組織でも脅威となり得るサイバー攻撃の一種です。
セキュリティー対策はいたちごっこのところがありますが、時代に合わせて適切な対策を講じることで、そのリスクを大幅に軽減することができます。
またサービスの内容によっては、全世界のユーザーや国内のすべてのユーザーからアクセスできる必要がないことが多々あります。業務システムに関しては特にその傾向が強くなります。サービスにアクセスできるIPアドレスをあらかじめ絞り込んでおくことも予防策として対策しておくことをおすすめします。
本記事を参考に、事前準備を怠らず、安全で安定したサービス運用を目指してください。
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この記事を書いた人
株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦
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