内装・工事:出来高×請求を写真・証憑で一本化する運用(名古屋版)
1.はじめに

請求が遅れる理由の多くは、現場と事務が別の時間軸で動いているからです。
写真はスマホの中、出来高はノート、請求は事務所のPC。
これを写真・証憑を“起点”にして、
出来高→承認→請求の線を1本につなぐと、
月末のドタバタが嘘のように減ります。
本稿では、名古屋・愛知の内装/設備工事で効いた“現実解”を、ブログの読み物としてまとめました。
2. 出来高は“文字”ではなく“写真+座標+日付”で語らせる
最初に変えるのは、証拠の作り方です。
工程名や小難しいコードを覚えてもらうのではなく、現場写真に最低限のメタデータを載せるほうが早い。
撮影と同時に
「工事名」「階」「区画」「タスク」「撮影者」「撮影日時」「位置情報(任意)」
が自動で入るだけで、後工程の突合は一気に楽になります。
文字での“説明”を減らし、画像そのものに説明させるのがコツです。
3. アップは“現場→Webシステム”に1本道で
写真は必ずWebシステムから直接アップします。
メール添付やメッセンジャー経由に逃がすと、どれが最新か分からなくなるからです。
現場はスマホで撮る→同じ端末で上げる。
ここで「工事名・階・区画・タスク」を選ぶだけにして、入力は最小に抑えます。
まとめて上げるより、撮ったその場で1件ずつ上げる運用が結果的に早い。
アップ時に自動で縮小・EXIF保持・重複チェックが走るようにしておけば、端末や回線の差にも強くなります。
4. “紐づけ”は人が悩まない設計にする

写真が上がったら、出来高行(例:501号室のタイル下地 10㎡)と自動で候補紐づけします。
階・区画・タスクの一致と撮影日時の近さで候補を出し、現場や所長はワンタップで確定するだけ。
数量入力は「面積・本数・長さ」など現場の単位で入れられるようにし、単位換算はシステムが引き受けます。
数量が写真の枚数と連動して上限チェックできると、過剰計上の芽をその場で摘めます。
5. 承認は“現場→所長→元請”の一筆書きで
承認フローを3段に分けます。
まず作業者の自己承認で一次ロック、
所長(または工事長)の現場承認で数量と写真が確定、最後に元請の出来高承認で請求確定。
フローを長くしない代わりに、差し戻しの理由を短文テンプレで返せるようにしておくと、戻しが早い。
承認と同時に出来高サマリ(区画×タスク×数量×単価)が更新され、
請求にそのまま流れ込むイメージです。
6.請求書は“V1はミニ版”、V2で体裁を整える
請求書は最初から完璧を目指さず、V1はA4のミニ版で発行します。
工事名・期間・出来高サマリ・税計算・発行者情報が揃っていれば十分。
V2で内訳の並びやロゴ、注意書きを整えれば良い。
元請所定のフォーマット提出が必要なら、CSV/Excel出力を先に用意し、
相手側の台帳に貼り付けてもらうほうが早く定着します。
7.写真は“後から探せる”ことが命
証憑の価値は、2ヶ月後に5秒で出せるかで決まります。
検索は「工事名」「階」「区画」「タスク」「撮影者」「日付帯」で絞り、
一覧は“サムネイル+主要メタデータ”の2行表示。
写真を開けば、関連の出来高行と承認の履歴、
請求書の発行状況が上下に連なって見えるようにしておきます。
外部からの問い合わせに対して、
URLひとつで閲覧権限付きビューを共有できると、電話往復が消えます。
8.名古屋の現場で効いた“約束事”を3つだけ

最初に撮る前の約束を決めます。
1つ目は「引きの写真と寄りの写真をセットで」。
全体が分かる1枚と、施工箇所が分かる1枚を必ず入れるだけで、後の説明が減ります。
2つ目は「1タスク=1アップ」。
複数タスクを1アップに混ぜないことで、紐づけミスを無くします。
3つ目は「同名タスクの連番は日付で区切る」。
同じ作業が続くときは日区切りで分け、“いつの出来高か”を曖昧にしない。
どれもルールは短く、守りやすいものにします。
9.スケジュール感:3ヶ月で“止まらない”流れにする
初月は、写真アップ→自動候補→現場承認までの細い流れを通します。
この段階では数量や単価の厳密さより、とにかく毎日止まらないことを優先します。
2ヶ月目で元請承認と出来高サマリの精度を上げ、CSV/Excel出力を整備。
3ヶ月目に請求V1を発行し、V2で体裁を整える。
この順番だと、月末の請求作業が“集める”から“確認する”に変わり、
締めのストレスが目に見えて減っていきます。
10.次の一歩
まずは無料相談でお気軽にご相談ください
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この記事を書いた人
株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦
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