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更新日時:2024.06.18
カテゴリー:blog

MES、製造実行システムとは?

DX、MESとは

製造業における製造実行システムMESについて紹介します。

近年DXやIoTという言葉が盛んに飛び交っていますが、MESという言葉は、比較的古くからあります。

MESは、1996年に「MESA-11 Model」として提唱された物で、
このモデル上の定義では11機能があるそうです。

  • 生産資源の配分と監視(Resource Allocation & Status)
  • 仕様・文書管理(Document Control)
  • 作業のスケジューリング(Operations/Detailed Scheduling)
  • 差立・製造指示(Dispatching Production Units)
  • 作業者管理(Labor Management)
  • 工程(プロセス)管理(Process Management)
  • データ収集(Data Collection & Acquisition)
  • 製品の追跡と体系管理(Product Tracking & Genealogy)
  • 実績分析(Performance Analysis)
  • 品質管理(Quality Management)
  • 保守・保全管理(Maintenance Management)

上の項目を見るとなにかと複雑に見えますが、
製造現場あるいは、製造現場に近いところを管理するシステムということになります。

この記事では製造実行システム(MES)の要点に絞って紹介します。

目次

  1. MES主な機能とメリット
  2. まとめ

1.MES主な機能とメリット

MES(Manufacturing Execution System)は、製造業における製造プロセスの管理、モニタリング、制御を支援する情報システムまたはソフトウェアのことを指します。

生産管理システムのERPなど似たような言葉がたくさんあるため混乱しますが、

ERP(基幹系システム)は計画層にあたり「どの工場で、いつまでに作るか」などの大枠を管理するのに対し。

MES(生産実行システム)は「どの工程で、どのような方法で作るか」の具体的な作業指示や品質データを管理します。

MESのように体系立てたフレームワークのようなものは日本の製造業ではあまり普及しておらず、

実情として個別の管理システム、
「生産指示システム」
「トレサビリティーシステム」
「作業や品質の標準類管理システム」
「作業のペースメーカ」
「ポカヨケ」などが

それぞれ独立したシステムとして納入されており、体系立てたフレームワークのような考えはなく

1種類の設備という考え方に近く、システム連携という概念はあまり浸透していないようです。

実際に私が以前所属していた大手製造業の生産現場では、
トヨタ生産方式や生産管理システム(ERP)という言葉をよく耳にしましたが、
MES(生産実行システム)という言葉は、外部のコンサルの方が口にするくらいでした。

大きい製造業がMESを導入するにはこれまで導入してきた機器との連携が発生するため
膨大な費用がかかりそうですが、

個別の既存システムが多くない中小企業でMESを導入するのは、
システム連携の壁もなく製造現場での生産活動を効率化し、
品質を向上させるために使用でき非常にメリットがあると思います。

以下はMESの主な機能と利点です。

主な機能

  1. 生産計画とスケジューリング
    MESは生産計画を作成し、実行するためのツールとして使用されます。生産スケジュールの作成、変更、管理を支援し、リアルタイムでのスケジュールの調整が可能です。
  2. 生産データ収集と監視:
    MESはセンサーや計測装置からのデータを収集し、生産ラインの状態を監視します。生産プロセスのリアルタイムデータを提供し、異常が検出された場合にアラートを生成します。
  3. 品質管理:
    MESは製品の品質管理を支援し、品質基準に適合するかどうかを監視します。不良品の識別とトレーサビリティを可能にし、品質の向上に寄与します。
  4. 資材管理:
    MESは原材料や部品の在庫を管理し、必要な資材の供給を調整します。在庫の最適化や材料のトレーサビリティもサポートします。
  5. 作業者サポート:
    作業者に生産手順や作業指示を提供し、作業の効率性を向上させます。また、作業者のトレーニングとスキルマネジメントを支援することもあります。

利点

  1. 生産効率向上:
    MESは生産プロセスの最適化に貢献し、生産効率を向上させます。適切な生産計画やスケジュールの管理により、無駄を削減し、生産性を向上させます。
  2. 品質向上:
    品質管理機能により、不良品の削減や品質の一貫性を確保します。品質問題を早期に検出して修正できるため、製品の品質向上に寄与します。
  3. リアルタイムデータ分析:
    MESはリアルタイムデータを提供し、生産プロセスのパフォーマンスを監視し、分析することができます。データに基づいた意思決定を可能にします。
  4. トレーサビリティ:
    製品や材料のトレーサビリティを確保し、製品の品質問題が発生した場合に追跡と対応が容易になります。

MESは製造業において非常に重要なツールであり、生産プロセスの効率化と品質向上に寄与します。
人材不足が深刻な今日、製造業の競争力向上に貢献しています。

2.まとめ

MES導入にあたりわかりやすいメリットとして
工程の進捗管理や工数管理を行うことで無駄な残業時間の低減や工程の問題箇所が見えるようになるため工程改善にも役立ちます。

また作業手順や品質管理の標準類を1か所で管理することで2重帳票や古い手順書との読み間違えなどによる品質問題を防げたり、作業を標準化することで作業者依存の工程から脱却できます。

さらにシステムを連携していることによりトレーサビリティーが取れやすくなるため万が一の時は、該当製品がすぐに特定できるようになり安全を見て回収範囲を広くするという無駄も省けるようになります。

MES関連のシステムはパッケージ品も出回っていますが、パッケージ品の仕様に合わせて自社の工程を柔軟に合わすことができる事業者様ならコストの面で非常に素晴らしいと思います。

ただ一部でもどうしても連携できないなどの箇所が発生しだすと、現状の製造業に多い独立したシステムが乱立している状態となり本末転倒になってしまうリスクもありますので注意が必要です。

#オーダーメイドシステム #MES #業務システム

水谷友彦

この記事を書いた人

株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦

中小企業の業務効率化を
デジタル戦略でサポート

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