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更新日時:2025.10.23
カテゴリー:blog

システム開発の費用相場(名古屋版)|内訳・期間・見積の考え方

1.はじめに

システム開発の費用相場(名古屋版)|内訳・期間・見積の考え方

「結局いくらかかるの?」。名古屋・愛知でシステム開発の相談を受けると、最初に聞かれる質問はいつもここです。
結論から言えば、相場は一本の数字ではなく“帯(レンジ)”で捉えるのが現実的です。そして、その帯を狭める最短ルートは、“今回はどこまで作るか(MVP)を先に言語化する”こと。

この記事では、名古屋の現場感覚に沿って、費用帯と期間、見積の中身、よくあるコスト増の理由と避け方を、読み物として一気に整理します。

2. 名古屋の費用“帯”と期間の目安

相場は、取り組みのスコープで大きく動きます。
単機能の置き換えや一部工程の改善に絞るなら、300〜700万円で2〜4ヶ月がひとつの目安です。

受発注と原価、請求など2〜3領域を1本の線でつなぐ規模になると、800〜1,500万円で4〜8ヶ月が現実味を帯びます。

全社基幹に踏み込み、在庫や工程、会計連携まで視野に入れる場合は、1,600万円以上・6〜12ヶ月という構図が見えてきます。

この帯が上下する主因は3つです。

1つ目は連携の重さ(会計・SaaS・ハンディやIoTなど)。
2つ目はデータ移行の難度(コード体系の揺れ、Excelの“歴史”)。
3つ目は帳票再現の度合いです。ここを見誤ると、見積は簡単に跳ね上がります。逆に、MVPを先に固めると、帯は自然と狭まります。

3. 見積の中身:お金はどこに流れるのか

費用はざっくり、
設計実装+テスト移行+教育+初期運用PM/品質保証の4つに流れます。

目安として、設計が約20%、実装とテストで約50%、移行と教育で10〜20%、PMや品質保証が約10%というバランスです。

ここで誤解が起きやすいのは「設計=図面づくり」と思われがちな点。

実際の設計は、現場の言葉をそのままシステムに翻訳する工程であり、これが丁寧だと後ろの工数が安定します。

もう1つは移行。最後にデータを流し込むだけでは終わりません。
得意先名の揺れや品番の二重化など“日常の揺れ”を整える作業が、本当の移行です。

4. 概算の出し方:シンプルで十分、ただし予備費はケチらない

概算の出し方:シンプルで十分、ただし予備費はケチらない

概算はシンプルに、工数(人日)×日単価+予備費で組みます。

予備費は10〜15%を置くのが現実的です。

予備費はムダではなく、リスクを早めに潰す燃料

特にPDF出力、バーコード、会計やSaaS連携など“重い機能”の早期PoCに使うと、後半のブレを強く抑えられます。

5. 期間を短く、確実に:詰まりやすい3箇所を先にほどく

スケジュールは
「要件定義 → 設計 → 実装/テスト → 移行/教育 → 運用」
という流れが一般的です。

詰まるのは3箇所。
まず意思決定のタイミング
経営・現場・開発が週1回30〜60分で決める場を持てるかが、1〜2ヶ月の差になります。
次に重い機能の前倒し検証
PDFや連携、バーコードは、小さくてもいいから最初に“できる/できない/時間がかかる”を見切ります。
最後に移行。初期のスプリントからテストデータを流し、帳票やコードの揺れに早めに向き合うのが近道です。

6.コストが膨らむ3大要因と、簡単な防ぎ方

コストが膨らむ3大要因と、簡単な防ぎ方

最も多いのは要件膨張です。

途中で「せっかくだから」が積み重なると、約20%の増加はすぐ発生します。

A=今回、B=次期、C=当面やらないを先に固定し、
Aだけで一度リリースする文化を作ると、ほぼ防げます。

次に移行の後回し。Excelの“便利”をそのまま持ち込むと、終盤に詰まります。

得意先名や品目、帳票様式の統一は、最初の2〜3週間で“骨”を決めておくのが安全。

3つ目は検証不足
会計連携やPDFなどを本番直前に触ると、高確率で日程が崩れます。
小さなPoCを前半に当て、見積とスケジュールの地雷を早めに踏み抜いておきます。

7.名古屋・愛知のスナップ実例

製造のA社では、
受注から原価、請求までの背骨を先に整える方針に切り替え、画面の並びを現場の動線に合わせただけで、投入工数が約30%下がりました。

内装のB社は、
写真と出来高、承認を同じ画面に寄せ、請求までの空白を消した結果、入金リードタイムが約30%短縮。

商社のC社は、
在庫やWMSの全入替を避け、既存システムは活かしつつ“詰まりだけ”スクラッチでつなぎ、欠品と余剰の同時発生が目に見えて減りました。どの事例も共通するのは、MVPの言語化と早期PoCです。

8.よくある質問に先回りしておきます

Q. 名古屋は東京より安くできますか?
A. 体制や人件費の面で抑えやすい傾向はあります。ただし、成果は要件定義と運用設計の質で決まります。単価だけを追うと、総コストはむしろ上がることがあります。

Q. ノーコードで始めて、後から作り直せますか?
A. 可能です。データモデルと権限、帳票を最初から“移しやすい形”に整えれば痛みは小さく済みます。先に効果を出してから、必要部分をスクラッチに載せ替えるのが堅実です。

Q. VPSとクラウド、どちらが良いでしょう?
A. 小さく始めて固定費を抑えるならVPS、伸びに応じて弾力的に増やすならクラウド。どちらでも、監視・バックアップ・セキュリティ運用を最初に決めておくことが、結局のコストを下げます。

9.次の一歩

まずは無料相談でお気軽にご相談ください

#スクラッチ開発 #システム開発 #DX

水谷友彦

この記事を書いた人

株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦

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