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更新日時:2025.01.27
カテゴリー:blog

業務システムはオンプレミスの方が安全なのか?メリットとデメリットを徹底解説

業務システムはオンプレミスかクラウドか?

1.はじめに

クラウドコンピューティングの普及が進む中、多くの企業が業務システムの運用において「オンプレミス(自社運用型:自社内に物理的なサーバーを持つ)」と「クラウド型(インターネット経由でサーバーを借りる)」のどちらを採用すべきか苦慮することがあります。

特に「オンプレミスの方が安全なのではないか?」という疑問は多くの経営者やIT担当者の間で議論の的となっています。

本記事では、この疑問に対する考え方を整理し、オンプレミスのメリット・デメリット、そして安全性の観点からどのように選択すべきかを解説します。

2. オンプレミスとは?

オンプレミス(on-premises)とは、企業が自社内のサーバーやデータセンターに業務システムを設置し、独自に運用・管理する形態を指します。

クラウド型がサービスプロバイダーによって運営されるのに対し、オンプレミスではすべてのインフラが企業の直接管理下に置かれます。

オンプレミス システム開発

オンプレミスが「安全」とされる理由

1. データの物理的コントロール

オンプレミスではサーバーが社内や指定の場所に設置されており、データの保管場所やアクセス管理が明確です。データが第三者(クラウドサービスプロバイダー)の管理下にないため、企業独自のセキュリティポリシーを徹底できます。

2. インターネット依存のリスク回避

クラウド型ではインターネット経由でシステムを利用するため、通信経路におけるリスク(通信の傍受やDDoS攻撃)が懸念されます。一方、オンプレミスでは社内ネットワーク内で業務を完結させることができるため、このリスクを軽減できます。

3. カスタマイズの自由度

オンプレミスではシステムを自社の業務に合わせてカスタマイズしやすく、セキュリティ要件に応じた独自の対策を講じることが可能です。

オンプレミスの課題と潜在的なリスク

安全性の観点でオンプレミスを選ぶ場合にも、いくつかの課題が存在します。

1. 管理負担と専門知識の必要性

オンプレミスではインフラの設計、構築、メンテナンス、セキュリティ更新などすべてを自社で行う必要があります。専門知識を持つITスタッフの確保が難しい場合、セキュリティホールが生じやすくなります。

2. 災害時の脆弱性

オンプレミスのデータセンターが地震や火災などの災害に見舞われた場合、すべてのデータが失われる可能性があります。災害対策として、別拠点へのバックアップやデータレプリケーションが必要ですが、これにはコストと労力が伴います。

3. セキュリティアップデートの遅延

クラウドサービスではセキュリティアップデートが自動的に適用されることが多いのに対し、オンプレミスでは自社で更新を実施する必要があります。更新の遅れは脆弱性を生むリスクとなります。
またオンプレミスであってもインターネットに接続可能な端末からのアクセスや不用意なUSBメモリーの抜き差しなどには注意が必要です。

3.クラウド型との比較:本当にオンプレミスが「安全」なのか?

クラウドかオンプレミスか、システム開発成功のポイント

クラウド型も近年、セキュリティ対策が飛躍的に向上しています。主要なクラウドプロバイダー(AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなど)は、世界的なセキュリティ標準に基づいた対策を講じており、特に以下の点で優れています。

1. グローバル規模のセキュリティ対策

クラウドプロバイダーは、常に最新の脅威情報を収集し、AIや機械学習を用いて不正アクセスや攻撃を検知・防御しています。これにより、オンプレミスでは難しい迅速な対応が可能です。

2. 高可用性と災害復旧能力

クラウド型では複数の地域にデータを分散して保管する仕組みが整っています。これにより、災害時やシステム障害発生時でも迅速に復旧することができます。

3. コスト削減と効率性 セキュリティ対策に必要なソフトウェアやハードウェアの購入・管理が不要となり、費用対効果が高い選択肢となる場合があります。

結論:オンプレミスは「安全」なのか?

オンプレミスが「安全」であるかどうかは、企業の規模や業種、リソースの充実度によって異なります。

自社で十分なセキュリティ対策を講じる体制が整っている場合、オンプレミスは高い安全性を実現することが可能です。

一方で、管理負担や災害リスクを考慮すると、クラウド型の方が実質的に安全で効率的な選択となるケースも増えています。

最終的な選択ポイント:

  1. データの機密性と管理要件
    特に機密性が高いデータを扱う場合はオンプレミスが有効。ただし、クラウドも専用環境(プライベートクラウド)を利用することで対策可能です。
  2. 運用リソースの有無
    十分なITスタッフや予算がある場合はオンプレミスでも運用可能ですが、そうでない場合はクラウド型の方が現実的です。
  3. 業務の特性
    高速なシステムアップデートやスケーラビリティ(拡張性)を求める場合、クラウド型が優れています。

4.まとめ

オンプレミスが「安全」と感じられるのは、自社でシステムを完全に管理できるという点からくる心理的な安心感による部分も大きいです。

しかし、実際の安全性は運用体制やセキュリティ対策の質に依存します。オンプレミスとクラウドの双方の特性を理解し、自社の状況に最適な形態を選ぶことが重要です。

この記事が、システム導入における選択の参考になれば幸いです。

#オンプレミス #自社サーバー #オーダーメイドシステム

水谷友彦

この記事を書いた人

株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦

中小企業の業務効率化を
デジタル戦略でサポート

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