スクラッチ開発の費用相場とは?
ゼロから作るシステム開発のコストと目安を解説

1.はじめに
企業が業務効率化やサービス強化を目的にシステムを導入する際、「スクラッチ開発」を選択するケースは多くあります。
というのもシステムを長期的(10年以上)に使うことを考えた時結果的に費用対効果の面で安くなることが多いためです。
しかし、ゼロから開発するため、イニシャル費用が高額になりやすいのが特徴です。
本記事では、スクラッチ開発の費用相場(世の中で言われる一般の相場)、コストが決まる要因、費用を抑えるポイントについて詳しく解説します。
2. スクラッチ開発とは?
スクラッチ開発とは、既存のパッケージソフトやフレームワークを使用せず、一からシステムを開発する手法です。専用システムやオーダーメイドシステムとも言われます。
スクラッチ開発のメリット
- 完全にカスタマイズできるため、業務に最適化しやすい
- 将来的な拡張がしやすい
- 外部サービスに依存しないため、長期的なコスト削減につながる
- 競争力が付く
スクラッチ開発のデメリット
- 開発コストが高い
- 開発期間が長くなる
- 運用・保守の負担が大きい
3.スクラッチ開発の費用相場(目安)
スクラッチ開発の費用は、システムの規模や機能の複雑さによって大きく異なります。以下に一般的な相場をまとめました。
小規模システム(300万~1,000万円)
- 例:業務管理ツール、予約システム、小規模ECサイト
- 主な開発内容:基本的なデータ管理機能、シンプルなUI
- 開発期間:3~6ヶ月
中規模システム(1,000万~5,000万円)
- 例:会員管理システム、大規模ECサイト、業務システム
- 主な開発内容:データベース構築、API連携、セキュリティ強化
- 開発期間:6~12ヶ月
大規模システム(5,000万~1億円以上)(大手企業向け)
- 例:企業の基幹システム、大規模SaaS、AIを活用したシステム
- 主な開発内容:高度なカスタマイズ、クラウド対応、大量データ処理
- 開発期間:12ヶ月~2年以上
4.スクラッチ開発の費用が決まる要因
開発工数(人月単価)
システム開発の8割前後は人件費と言われています。
システム開発費用は、「人月単価 × 作業工数」で計算されます。
開発体制 | 人月単価(目安) |
フリーランスエンジニア | 50万~80万円/人月 |
中小規模の開発会社 | 80万~120万円/人月 |
大手SIer | 150万~200万円/人月 |
参考に2025年2月時点のフリーランスの単価はこの写真の金額



※https://freelance-start.com/ より引用
上記はフリーランスエンジニアが受け取る単価です。
例えば、エンジニア3人が6ヶ月開発する場合の費用目安は以下の通りです。
- 80万円 × 2人 × 3ヶ月 = 480万円
- 120万円 × 2人 × 3ヶ月 = 720万円
機能の複雑さと要件
- シンプルなシステムは比較的安価
- AIやデータ分析機能などの高度な機能を実装するとコストが増加
システムの規模とユーザー数
- 社内利用の小規模システムは比較的コストを抑えやすい
- 多くのユーザーが利用する大規模システムはインフラコストが高くなる
開発手法(アジャイル or ウォーターフォール)
- ウォーターフォール開発は、要件を最初に決めて進めるため予測しやすいが、途中変更が難しい
- アジャイル開発は、小さく作って改善を繰り返すため柔軟だが、費用がかさむこともある
運用・保守費用
システムは開発後も運用・保守が必要です。
- 年間保守費用の目安は開発費用の15~25%
サーバー維持、セキュリティ対策、機能追加などが含まれる
5.スクラッチ開発の費用を抑えるポイント

必要な機能を明確にする
「本当に必要な機能」を絞り込むことで、無駄な開発コストを削減できます。
まずは基本機能のみのシンプルなシステムを開発し、運用しながら改良する方法がおすすめです。
開発会社を比較する
複数の開発会社から見積もりを取り、コストや提案内容を比較しましょう。
- 技術力があるか
- 開発実績があるか
- コミュニケーションがスムーズか
6.まとめ
システム規模 | 費用の目安 | 例 |
小規模 | 300万~1,000万円 | 予約システム、業務管理ツール |
中規模 | 1,000万~5,000万円 | IoT、生産管理システム |
大規模 | 5,000万~1億円以上 | 企業基幹システム、大規模SaaS |
スクラッチ開発費用を抑えるには?
- 必要な機能を明確にする
- MVPで開発し、段階的に拡張する
- 開発会社を比較する
- 既存技術を活用する
スクラッチ開発は高額な投資になりますが、適切な計画と手法を選べば、費用を最適化できます。
最適な開発方法を検討しながら、事業に合ったシステム構築を進めましょう。
参考にシステム開発にかかる費用相場の外部リンクを添付します。

#システム開発相場 #スクラッチ開発相場 #オーダーメイドシステム

この記事を書いた人
株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦
中小企業の業務効率化を
デジタル戦略でサポート