システム保守料はなぜ高い?内訳と妥当性の見分け方を解説
1.システム保守料はなぜ高いのか?「高い」と感じる理由と妥当性の見分け方

「保守料が思ったより高い」
「開発費は払ったのに、なぜ毎月費用がかかるの?」
Webシステムや業務システムを導入した企業で、よく出てくる疑問です。
結論から言うと、保守料が高く見えるのは“作業内容が見えにくい”のに、実際はやることが多いからです。
この記事では、保守料の内訳、なぜ高くなるのか、
そして「妥当な保守」と「高すぎる保守」を見分けるポイントを整理します。
2. 保守料=「何かあった時の対応」だけではない
保守というと「壊れたら直す」イメージが強いですが、実際はそれだけではありません。保守費用には、次のような要素が含まれます。
- 障害対応(復旧・原因調査・再発防止)
- サーバー/ミドルウェアの更新・セキュリティ対応
- 監視(死活監視・エラー検知・リソース監視)
- バックアップ設計・復元テスト
- 問い合わせ対応(運用相談、使い方、仕様確認)
- 軽微改修(小さな修正・調整)
- ベンダー側の体制維持(担当者の確保、引継ぎ、ナレッジ管理)
つまり保守料は「保険」に近いですが、単なる保険料ではなく“運用を成立させるための継続コスト”でもあります。
3. それでも「高い」と感じる理由
1) 成果が“起きないこと”なので、価値が見えにくい
保守が機能しているほど、障害が少なく、何も起きません。
すると、発注側から見ると「何もしてないのに毎月取られている」に見えやすい。
しかし実際は、セキュリティパッチ適用・監視の調整・バックアップの整合性確認など、“水面下で事故を防ぐ作業”が多いです。
2) いざ障害が起きた時のコストが大きすぎる
業務システムは止まると、復旧作業だけでなく
- 受注・出荷が止まる
- 売上や顧客対応に直撃する
- 現場が手作業になり残業が増える
など、損失が一気に膨らみます。
保守料は、この「止めないコスト」「止まっても最短で戻すコスト」を平時から負担する形です。
3) “責任”を買っている側面がある
保守は単なる作業費ではなく、「一定の品質・復旧時間で対応する責任」が含まれます。
例えば同じ1時間の作業でも、
- 誰でもできる作業(問い合わせ一次回答)
- 仕様とコードを理解してないと無理な作業(障害原因特定)
- 判断ミスが事故につながる作業(DB復旧、権限設定、WAF調整)
では、必要な経験値が違います。
保守費が上がるのは、“専門性と責任が重い領域”ほど顕著です。
4) 「待機コスト」が実は重い
保守の現場では、何かあればすぐ対応できるように
- 担当者を確保する
- 連絡経路・手順を整える
- 環境の情報を最新に保つ
- 休日夜間対応の体制を持つ(契約による)
といった“待機”が必要です。
待機は、手を動かしていなくてもコストがかかります。
4. 保守費用の主な内訳(よくある項目)

保守契約の中身は会社ごとに異なりますが、よくある内訳は次の通りです。
- 運用監視費(死活監視・アラート対応)
- セキュリティ維持費(OS/ミドル更新、脆弱性対応)
- バックアップ運用費(世代管理、復元手順維持)
- 問い合わせ窓口費(工数ではなく窓口の維持費)
- 軽微改修枠(月○時間まで、など)
- 障害対応SLA:Service Level Agreement(一次対応◯時間以内など)
「何が含まれているか」を見れば、保守料の妥当性は判断しやすくなります。
5. 「妥当な保守」と「高すぎる保守」の見分け方
妥当な保守の特徴
- 対応範囲が明確(含まれる/含まれないが書いてある)
- 監視・バックアップ・セキュリティなど、基本が押さえられている
- 障害対応フローがある(連絡→一次対応→復旧→報告)
- 変更管理がある(誰がいつ何を変えたか追える)
- 月次レポートなど、最低限の可視化がある(簡易でもOK)
高すぎる(要注意)な保守の特徴
- 「保守一式」など曖昧で、範囲が分からない
- 問い合わせや軽微修正が毎回追加請求(契約が形骸化)
- セキュリティ対応やバックアップが実施されていない(または不明)
- 障害時の対応時間や責任範囲が不明確
- ドキュメントや引継ぎがなく、ブラックボックス化している
6.保守費を抑える現実的な方法(“値切る”以外)

保守費は「下げてください」だけだと、品質低下やレスポンス遅延につながりがちです。現実的には、設計と契約を整えていくのが効きます。
1) 保守を「3段階」に分ける
- ライト:監視・バックアップ中心、問い合わせは月数回まで
- スタンダード:ライト+軽微改修枠+障害一次対応
- プレミアム:夜間休日対応、SLA強化、改善提案込み
必要なレベルを選べるようにすると、納得感が出やすいです。
2) 仕組みで工数を減らす
- エラー通知の自動化(例:Slack/メール)
- ログ整備、アラート閾値調整
- IaC/コンテナ化で環境再現を容易に
- ドキュメント整備で問い合わせを減らす
“保守が高い”は、運用が属人化しているサインでもあります。
3) 「何が起きたら有償か」を先に決める
トラブルになりやすいのはここです。
- バグ修正は無償?
- 仕様変更は有償?
- 外部サービス側の仕様変更対応は?
- サーバー移転は?
境界が決まっているだけで、不要な摩擦が減り、結果的にコストも下がります。
7.よくある誤解:保守料=開発費の“取り戻し”ではない
保守が「開発費の回収に見える」ケースもありますが、良い保守はむしろ
- 障害を減らす
- 早く復旧する
- セキュリティ事故を防ぐ
- 運用を仕組み化して工数を落とす
という形で、会社の損失リスクを下げる投資です。
保守料が高いかどうかは、「金額」だけでなく何が含まれているかで判断するのがポイントです。
8.まとめ:保守料が高く見えるのは「見えない作業」と「責任」が多いから

- 保守は「壊れた時だけ」ではなく、平時の事故防止が中心
- 待機・責任・専門性が含まれ、目に見えにくい
- 妥当性は「対応範囲」と「可視化」で判断できる
- 保守費を下げるなら、契約の階層化・仕組み化・境界定義が効く
9.次の一歩
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この記事を書いた人
株式会社ウェブロッサムの
代表:水谷友彦
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